披露宴イメージ

義母が披露宴出席のお車代の封筒に入れた手紙

ずっと悩んでました。
その人を披露宴に招待することを。
その人は20年前、幼い私と弟を捨て、親戚の人に言わせれば、「男に走った」産みの母でした。
その後、父と再婚した義母は、とても厳しい人でしたが、結局自分自身の子は持たず、私と弟を立派に育て上げてくれました。
幼い頃は、その義母の辛い心情や自分の子じゃない、義母いわく「預かった」子供を恥ずかしくない人間に育てなければという使命感から私達に厳しく接したその訳も理解できず、また本当の母恋しさから、義母を愛することもできないでいました。
けれど、成長して、義母の気持ちや状況がわかってきて、また義母も多少は肩の荷を下ろすことができたのでしょうか私を大人の女性として打ち解けて話をしてくれるようになり、私達はまるで親友、姉妹のような関係になりました。
そして父を看取り、私が結婚することになりました。
ずっと口には出さないではいましたが、心の中に引っかかっていた実母。
義母への気持ちと対照的にそれは恨みや蔑みに似た気持ちになっていました。
どうしても私達を捨てた母の気持ちを納得することはできなかった。
だから、結婚式の日取りが決まっても、実母に連絡を取ることはしませんでした。
すると、義母が実母の今の住まいを調べて結婚披露宴に招待してしまったのです。
私が本当は呼びたいのに我慢してると思ったのです。
そして実母は出席することに。
自分が今こんなに幸せなのに、心の奥底の暗闇は消せないものです。
どうしてもどうしても、母を許せなかった。
そして自分の子供を持たずに私達に尽くしてくれた義母こそ、私の唯一の母だと心から思いたかった。
実母には、単なる親戚の一人、あなたがいなくても私はこんなに幸せになれたのよ、と見せつけるために来てもらうんだと自分に言い聞かせ、その日を迎えました。
結局、実母とは言葉も交わさず、視線を合わすことなく、披露宴は終わりました。
でも、式場に入った瞬間、一番に目に飛び込んで来たのは、実母の姿だった。
そんな自分の裏腹な気持ちに戸惑い義母に申し訳なくて、花束贈呈では号泣してしまった私に義母は全てを見透かし「いいのよ、いいのよ」と背中を撫でてくれました。
今では、実母とぎこちないけれど、連絡を取り合える関係になりました。
それは、義母が私に内緒で、実母に渡したお車代の封筒の中に手紙を入れていたお陰です。
是非とも私と会ってやって欲しいと遠慮はいらないと書いてあったそうです。

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